救急車に乗った貴重な体験
何か胃が変だなと思った
なんだか働いている最中にちょっと胃が痛い気がした。
んーと思いながらスタスタと狭い中でお薬のことで有名な同僚のところまで行き、
「なんか胃が痛いような気がするんだが胃薬ない?」
と聞いた。
「ハィィ?」
と聞き直され今日もキてますねと思うと同時に今日も話聞いてないねと思う。
なんか話聞いてくれないんだよね。
この人。
本当に聞こえてないらしいんだが。
「胃薬?ありますあります」
と貰って飲む。
なんか酸っぱい。
飲んだが全く効かない。
なんだか痛いなぁ~と思ったまま夜の10時くらいまで仕事してた。
その日はそのままアパートに帰って寝た。
真夜中に目覚める
午前2時半頃。
なんか胃のあたりが変で目が覚めた。
お腹が空いてるのかなと思ってカップラーメン作ってみたが2~3口しか食えない。
午前3時頃に仕方が無いからウィスキーをストレートでちょっと飲む。
布団に入って明日午前半休貰って病院行ってから会社行くか~とか考えていた。
午前3時半頃。
やばい。
すっごい痛い。
冷や汗出てきた。
何これ?
死にたい。
超痛いんだが。
これはこのままでは死にたくなくても死んでしまうかもしれない。
200M先に中央病院がある。
夜救急車が止まってるのを見たことがある。
医者が居るはずだ。
歩けるか?
いや、歩けない。
人は意外と冷静に動くものだった
最後の力を振り絞り戸締りをした。
冷蔵庫の中身をチェックしてブレーカーを落とす。
普段着に着替え、携帯と充電器をポケットに入れ、外に出て鍵を閉め、その場に倒れた。
携帯で119番に電話して、状況を伝える。
「すごく胃のあたりが痛いです。すいません、カップラーメン少し、2~3口食べたのと、ウィスキーを飲みました。動けないです。救急車をお願いします。アパートの外に居ます。」
と何が原因かわからんので酒かも、食べ物かも、とあらんだけ力を振り絞り状況を伝える。
来れば運べるから救急車くれと、とにかく連呼。
向こうも大変だろうがこっちも必死だ。
200Mくらい歩けば病院行けるのにもう立てない。
その旨も伝える。
住所を伝え、うつ伏せから仰向けになって暫くその場でじっとしていた。
落ち着いてぬうんと気を取り直し、救急車がくるまで少しでも楽な姿勢はどのポーズだと身もだえていた。
その時何か腐ったような匂いがした。
頭なんだか体なんだかわからないが変な匂い。
なんか体がおかしいのだろう。
救急車に乗せられたはいいが救急車は動かない
パーポーパーポーという音が近づいてくるのが聞こえた。
普段なら夜更けにうるせーなぁと思うあの音がこんなに待ち遠しい日が来るとは。
パーポーパーポーパッ
って遠くで音が消えた。
ああそうか、近くまでくると音消すのか。
バタバタと走ってくる音が。
「ここです~」
と、うめき声を上げて存在をアピール。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないです」
大丈夫じゃないから呼んだんです。
「この辺が凄く痛い」
胃のあたりを抑えながら症状を伝える。
気を失ってしまうかもしれないし、救急隊員に伝わっているかわからないのでさっき電話で伝えた
ことをもう一度連呼。
カップラーメンをちょっと食べたこと、食べ物関係かもしれないので日清のシーフード味のカップ
ヌードルだったこと、薬と相性があるかもしれないのでウィスキーを飲んだこと、昨日胃薬を飲んだこと。
夜中に呼んでしまったのですいませんすいませんと何度も謝っていた。
「立てないですよね?担架持ってきます」
「お願いします」
と呻く。
担架に乗せられ救急車に運ばれながらうぁ~担架乗るんかオレ。
とか思いつつすいませんを連呼した。
救急車に担架ごとの乗せられたがなんか狭いな。
隊員がすぐに電話をし始めたのだが。
全然動かない。
10分くらいで何か変じゃないかと思い聞いてみる。
「病院行かないんですか?」
「今受け入れ先を探しています」
痛いのでそれ以上聞かなかった。
さらに15分くらいしても動かない。
「200Mくらい先に病院があるのですが」
と言ったら
「そこは最初に掛けました」
との事。
お前地域民受け入れろや~
会社帰りに行けばよかった~
22時過ぎてたから閉まってたけど。
「受け入れ拒否ってるんですか?」
「ほぼ受け入れないんですよ」
おぉ、どうなってるんだ。
1時間位して
「受け入れ先見つかりました」
と言ってついに動き出した。
200M先に病院があるのになんだか通り越してえらい方向に進んでいる。
おいおい、違う区に行くぞこれ。
どうなってるんだ。
「すいません、どこまで行くんですか?」
と聞いてみると
「〇〇病院です」
「どこにあるんですかそれ」
「××ですね」
って遠くね?
200M先に病院あるのに遠くね?
どうなってんだー。
帰れるなら帰っていいよとの事
運び込まれた病院でようやくお医者さんに診てもらえた。
もう6時近いぞ。
ご迷惑を掛けてすいませんを連呼しながら、胃のあたりがめちゃくちゃ痛いこと、カップラーメン食べたこと、昨日食べたもの、ウィスキーを飲んだこと、胃薬を飲んだことを伝えた。
なんか腹部を色々押しながら
「ここ痛い?」
とか聞かれるんだがどこをおされても程度の差はあっても痛い。
「ちょっと痛い、結構痛い、痛い」
と使い分けたがお医者さんも困り顔。
「うーん」
と考え込んでいる。
なんだか知らんがすいませんを連呼している私。
「うーん、盲腸の疑いがある」
と言って黙ってしまった。
どうしようかなーと考えているみたい。
「盲腸なら、薬で散らすか手術する方法がある」
と言われてもまだわからんのでしょ。
暫くして
「どうする?泊ってく?」
と聞かれる。
わかるかそんなん。
「歩いて帰れるなら帰っていいよ」
「歩けません」
と即答。
意外と大丈夫なのかなーとちょっと安心。
「じゃあ、入院だね」
と言ってどこかへ行ってしまった。
こうして入院が決定。
会社に入院することになったので休みますと電話を入れて貰えるようお願いして寝た。
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